味噌煮込みうどんの麺が「かたい」理由とは 

こんにちは。

キッチン大友の加藤です。

 

名古屋名物「味噌煮込みうどん」。

その特徴のひとつが、“かため”の麺です。

初めて食べた人は「これ、ちゃんと茹でてあるの?」と思うほど独特な食感。でもこのかたさ、実は味噌煮込みうどんにとって欠かせないポイントなのです。

ふつうのうどんは、小麦粉に「塩」と「水」を加えて練り上げ、寝かせてから伸ばして作ります。塩はグルテンの生成を助け、麺にしなやかさとコシを与えるための大事な材料です。

ところが、味噌煮込みうどんの麺は塩を使わずに練られます。なぜなら、煮込む工程で味噌の塩分が加わるため、あらかじめ塩を加えると味が濃くなりすぎてしまうからです。

塩を使わずに練ることで、麺は一般的なうどんよりもグルテンが少なく、しなやかさに欠けます。そのため、表面はややざらつきがあり、歯ごたえのある“かたい”食感になります。

さらに、味噌煮込みうどんは土鍋でグツグツと煮込みながら提供されるため、麺がのびやすい環境にあります。柔らかい麺だと煮込みの途中で伸びてしまうため、あえてしっかりとしたかための麺に仕上げるのです。

濃厚な八丁味噌ベースのだしに、コシのある麺。噛むたびに、味噌のコクと麺の小麦の風味がしっかりと口の中に広がります。この組み合わせが、名古屋ならではの「味噌煮込みうどん」の魅力なのです。

Leave a Reply